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後手番 鳥刺し戦法 仕掛けの評価値 対四間飛車編

プロはほとんどやらない鳥刺し戦法だが、紹介している本は意外と多い。
本によって仕掛けるときの形が違うので、ソフトの評価値を比較して、自分にとっての最善の仕掛けを模索していこうと思う。
なお、今回は後手番での検討であるのと、本に書いてあっても私が主に対局しているソフトが指さない手は変えているので、本に載っている局面とは異なる。





最も仕掛けが早いのは神谷広志八段の禁断のオッサン流振り飛車破り (マイナビ将棋BOOKS)で△6二銀とせずに仕掛けている。



△6二銀は▲2八玉と美濃囲いにしっかり入られてしまうのが損だという考え方。

   最善手   次善手   3   4   5  棋力
 技巧  ▲同歩 249          プロ以上
 激指11  ▲同歩 602  ▲2八玉 534  ▲6五歩 521  ▲7八飛 505  ▲4六歩 505  アマ六〜七段
 最強 東大将棋7  ▲同歩 46  ▲7八飛 27  ▲6五歩 25  ▲1六歩 21  ▲9五角 18  アマ四〜五段
 銀星将棋 Premium3  ▲同歩 275  ▲2八玉 106  ▲7八飛 105  ▲1六歩 102  ▲6五歩 93  アマ四段

5番目の候補手でも振り飛車がいいというのはちょっと意外。




島朗八段(当時)の名著島ノート 振り飛車編では△6二銀としてから仕掛けている。




   最善手   次善手   3   4   5  棋力
 技巧  ▲7八飛 130          プロ以上
 激指11  ▲7八飛 533  ▲5六歩 525  ▲4六歩 504  ▲同歩 503  ▲6五歩 485  アマ六〜七段
 最強 東大将棋7  ▲7八飛 -5  ▲6五歩 -9  ▲同歩 -11  ▲1六歩 -16  ▲7八飛 -20  アマ四〜五段
 銀星将棋 Premium3  ▲同歩 234  ▲7八飛 102  ▲8八飛 97  ▲6五歩 93  ▲1六歩 93  アマ四段

△6二銀としてからの方が良い。
ただし、禁断のオッサン流振り飛車破り (マイナビ将棋BOOKS)には相手が正確に受けてきた場合に超急戦から持久戦に切り替え、厚みを作って戦う手順が書かれているので神谷広志八段が間違っているというわけではない。
対処法を知らない相手なら超急戦で快勝できるということである。

△6二銀は取られそうになった角をさばくために▲9五角〜▲6二角成〜▲7一銀の割り打ちが嫌で私は仕掛ける前に△9四歩を入れていたが、▲6二角成には△同銀ではなく△同飛と取れば良いことが分かり、△9四歩は不要となった。


ここで気になるのが島ノート 振り飛車編で書かれている△7五歩の前に△6四銀と出る手順。
次に△7五歩から歩を取りつつ△7五銀と出るのが狙い。だが、▲6五歩と突かれても大丈夫なのか調べてみる。




   最善手   次善手   3   4   5  棋力
 技巧  ▲7八飛 239          プロ以上
 激指11  ▲5六歩 572  ▲4六歩 535  ▲7八飛 527  ▲1六歩 496  ▲3六歩 491  アマ六〜七段
 最強 東大将棋7  ▲1六歩 -4  ▲5六歩 -7  ▲8八飛 -9  ▲9六歩 -12  ▲7八飛 -12  アマ四〜五段
 銀星将棋 Premium3  ▲5六銀 78  ▲1六歩 78  ▲8八飛 77  ▲9六歩 61  ▲4六歩 60  アマ四段

振り飛車側から見れば、技巧は△7五歩が嫌で銀星将棋 Premium3は△6四銀が嫌。
激指11最強 東大将棋7はどちらも同じだと思っている。
いずれのソフトも▲6五歩と突かれても△同銀で大丈夫となっている。



森鶏二九段の初段に挑戦する将棋シリーズ 奇襲戦法では△7五歩の前に△5二金と固める一手が指されている。
タイトル通り級位者向けの本になるわけだが、玉を固めるこの手は必要な一手と書かれている。
解説の▲5六銀の代わりに▲5八金とした。
ソフトは鳥刺し戦法に対して▲5六銀としてこない。
さらに▲1六歩△7五歩で評価値はどうか。




   最善手   次善手   3   4   5  棋力
 技巧  ▲7八飛 182          プロ以上
 激指11  ▲7八飛 526  ▲4六歩 508  ▲1五歩 502  ▲同歩 492  ▲5六歩 486  アマ六〜七段
 最強 東大将棋7  ▲1五歩 -6  ▲7八飛 -11  ▲6五歩 -13  ▲8八飛 -17  ▲9六歩 -22  アマ四〜五段
 銀星将棋 Premium3  ▲同歩 182  ▲8八飛 92  ▲7八飛 91  ▲6五歩 85  ▲1五歩 82  アマ四段

振り飛車側から見れば、△5ニ金は技巧は緩手。銀星将棋 Premium3は固めずに攻めてきてくれたほうがありがたいと見ている。
これまでの経験から言えば、△5ニ金型は駒の交換に弱く、玉が薄いので▲8ニ飛、▲7一銀、▲7一角の打ち込みが怖い。
△6一金型も▲8ニ飛の打ち込みはあるが、△7一金〜△8ニ歩で桂、香は取らせない。




角を引かないで仕掛ける手順は豊川孝弘六段のパワーアップ戦法塾 (NHK将棋シリーズ)に載っている。
角引きを後回しにする仕掛けはどうなのだろうか。




   最善手   次善手   3   4   5  棋力
 技巧  ▲同歩 201          プロ以上
 激指11  ▲同歩 550  ▲7八飛 333  ▲1六歩 272  ▲4六歩 272  ▲5八金左 263  アマ六〜七段
 最強 東大将棋7  ▲同歩 34  ▲7八飛 12  ▲9六歩 -5  ▲1六歩 -6  ▲9八香 -7  アマ四〜五段
 銀星将棋 Premium3  ▲同歩 293  ▲1六歩 84  ▲6五歩 83  ▲8八飛 82  ▲5八金左 81  アマ四段

角を引いてから仕掛けるほうがいい。
この本では初段に挑戦する将棋シリーズ 奇襲戦法とは逆に飛車の打ち込みに弱くなるので、手拍子で△5二金と固めてはいけないと書かれている。




相手が居飛車でも振り飛車でも引き角で攻める嬉野流。
奇襲研究所 〜嬉野流編〜 (マイナビ将棋BOOKS)での対四間飛車では▲5七銀型だが、ソフトはこの形にはしないので▲6七銀型で検討してみる。
居玉のまま仕掛けているので、振り飛車の美濃囲いも完成していない。




   最善手   次善手   3   4   5  棋力
 技巧  ▲7八飛 264          プロ以上
 激指11  ▲同歩 614  ▲3八銀 572  ▲5八金左 562  ▲5六歩 543  ▲1六歩 534  アマ六〜七段
 最強 東大将棋7  ▲同歩 116  ▲6五歩 55  ▲7八飛 49  ▲5八飛 36  ▲4八飛 36  アマ四〜五段
 銀星将棋 Premium3  ▲同歩 199  ▲3八銀 80  ▲5八金左 77  ▲7八飛 76  ▲1六歩 75  アマ四段

居玉での仕掛けは良いとは言えない。腕力に自信がある人向け。

感想

ソフトの評価値的には島ノート 振り飛車編の形で△7五歩と突き捨ててから△6四銀と出るのが良いという結果になった。

これまでは検討に激指11しか使っていなかったので、「手順通りの仕掛けですでに-500じゃ駄目な戦法だよなあ」と思っていたのが、今回の検討によって十分やれると分かったことは大きな収穫である。
技巧は後手番というだけで-100なので-130なら悪くない。

ただ、これまでの経験から言えば、△7五歩の突き捨ては7四に残った歩が攻めの拠点になることがあって嫌だったので、△6四銀と先に出て歩を回収しながら攻める手順も捨てがたく、しばらくの間は両方指してみる必要があるだろう。